このページではJUNKEI-GLOVEについて(主にグローブ)の疑問や質問などを解決していきたいと思います。
Q:王冠スタイルは出来ますか?
A:申し訳ございませんが王冠スタイルはできません。
《タテ生地とヨコ生地が混ざらないように作製するのがJUNKEI-GLOVEのポリシー》
・牛の革は、ほぼ「繊維」と「油」で出来ていると思ってください。
※「油」については、後日ブログ掲載したいと思いますので、
今回は「繊維」についてです。
牛の革には「繊維」というものがあり、その繊維には向き、流れというのがあります。
この半裁の革には、
こんな感じで「繊維」の流れがあります。
(手書き入力ですみません)
この繊維の流れに沿っていれば伸びにくい、つまり『タテ生地』と呼ばれています。
(上の写真の革を左右から引っ張るイメージです)
逆に繊維の流れの垂直方向には伸びやすい、つまり『ヨコ生地』と呼ばれています。
(上の写真の革を上下から引っ張るイメージです。)
グラブのパーツ裁断は、基本的には『タテ生地』にしなければなりません。
パーツ同士の組み合わせ時にきっちりと合わせて縫製でき、より強度の高いグラブに仕上がるからです。
もし、『ヨコ生地』が混ざるとどうなるのでしょう?
・『ヨコ生地』は数ミリは簡単に伸びてしまいます。
・生地が伸びると、縫製に無理がかかり、いろんな部分にたるみやシワが出来てしまいます。
・たるみやシワを隠すために、裏張りが増える→重くなる、硬くなる。
つまり、不の連鎖が生まれてきます。
「王冠スタイル」には、一つのパーツに、『タテ生地』と『ヨコ生地』が存在するパーツが不可欠になります。
『ヨコ生地』を出来るだけ使わないように設計するのがJUNKEI-GLOVEのポリシーなので、出来ないということです。
ご理解の程、よろしくお願いいたします。
その他の例では、「ハーフクロッチで親指一体型」も同じ内容です。
左右の金型画像を見て比べて下さい。
※黒い線は牛革の繊維の流れとイメージして下さい。
左の画像は、各パーツほぼ『タテ生地』に裁断することが出来ますが、
右の画像のように、親指とベルトが一体になるとベルト部分(もしくは人差し指)を『ヨコ生地』にしなければならないのです。
こういった仕組みの作りは、ジュンケイでは出来ませんので、ご理解ください。
【三代目貴夫’s POINT!!】
ジュンケイのグラブは、「見た目」にこだわるメーカーではなく、「本質」にこだわるメーカーだと思ってください。
弊社75年の歴史は、OEMによる製造時代が長くありました。その時の各スポーツ商社(一般にメーカーと呼ばれている会社)には、「見た目」を強要されていた事も多々ありました。
しかし、今ではそういった事もなく、正しいと思える道を突き進むということが出来ます。
長い歴史の中であれもこれも経験したが故に、グラブの「本質」の大切さというものが分かります。
今では数少なくなった「本質」にこだわるメーカーとして、少しでもプレーヤーのパフォーマンスを向上させるためにグラブを作っていきたいと思います。
少し話がそれましたが、今後ともよろしくお願いいたします。
参考記事:
Back Number;
・2021年4月12日 Q:ジュンケイーグラブのグラブは型番がたくさんありますが、どうやって選べばいいでしょうか?
・2021年4月19日 Q:ジュンケイ―グラブのグラブは、直接工場に買いに行くことは出来ますか?
・2021年4月26日 Q:グラブをオーダーする時に「5ミリ長く、5ミリ短く」出来ますか?
・2021年5月10日 Q:ステッチ紐は、買うことが出来ますか?
・2021年5月17日 Q:王冠スタイルは出来ますか?
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